議員ウソツカナイ

観察映画の周辺 Blog by Kazuhiro Soda: 尖閣諸島「流出ビデオ」について
リーク映像に先行して尖閣ビデオをみた議員の発言がバラバラで「誰が嘘つきだ?」とネットでは盛り上がっています。しかし国会議員はもちろん一般人でも公で発言するときはそうそうあからさまな嘘はつかないものです。
ではなぜ発言がこうもバラバラに見えるのかというと、公の発言の場合、人は「嘘を言う」のではなく「自分の主張に都合の悪い事は言わない」という選択をするからなのです。ですからこういう所謂「藪の中」状態になったときは「誰かか嘘をついている」と考えて事実を探るよりも「皆が本当のことを言っている」と仮定して推理していくほうが有効だったりします。
リーク映像をみた後、議員たちの発言をあらためてみると一見バラバラにみえる発言に共通してとても不自然に感じるところがあります。それは巡視船の右舷に漁船が衝突する場面の衝撃の大きさに誰も触れていない点です。このシーン、衝撃の大きさもさることながら巡視船の船尾から立ち上る黒煙が内燃機関へのダメージ、爆発等の危険もあったのではないかと想像させ衝突が相当危険なものであったという強烈な印象を観る者にあたえます。しかし議員の発言には「悪質」「故意」という言葉はあっても衝突時の衝撃の大きさへの感想がありません。自民の田村憲久衆院議員の「思ったよりは激しくないが、意図的にぶつけてきているのは読み取れる」という発言も重要です。
多分彼らが見たビデオ、巡視船船尾への衝突はリーク映像と同じもので右舷への衝突は別のカメラからの映像ではなかったかと自分は考えます。
槍玉にあがっている福島瑞穂社民党党首の「車が道路でちょっとコツンとぶつかるような、あてて逃げるという映像だ」小林興起衆院議員の「衝撃があるような当たり方じゃない。ぶつかる瞬間はカメラの位置からして見えない」という発言はリーク映像と同じ「船尾への衝突」を見ての感想だと考えれば納得がいきます。あとは「右舷への衝突」の別カメラからの映像の存在する可能性ですが、ほぼ間違いないのではないでしょうか。あのリーク映像と同じものをみて自民党議員が「思ったよりは激しくない」と発言するとも思えませんので。